「まず生理について話せる環境が必要では?」~メーカー×Z世代が考える~
「生理でつらくて一日中寝ていたくても、女の子にさえわかってもらえないことがあります」
2019年は生理を題材とした映画が公開されるなど、「生理」が何かと話題になりました。それでも若い女性たちに話を聞いてみると、生理についての情報はまだ少なく、それについて話したくても話せる場があまりないと言います。そんな状況に対し、メーカーとして何かできないかと考えたのは、若年層の声を反映させたコンパクトな薄型かつ、長時間安心の吸収力とデザイン性を兼ね揃えた生理用品、 「エリス コンパクトガード」のブランド担当者たちでした。
2020年に若者たちとのミートアップイベントの開催を予定している同社がパートナーとして声をかけたのは、自らが編集長を務めるHIGH(er) magazineで生理に関する特集を組んだharu.と、性教育に取り組む大学生で学内のトイレに生理用品を置く活動を行った中島梨乃。本記事では、同ミートアップイベントの企画会議に参加した三組に話を聞きました。
若者の日常生活の悩みに寄り添った取り組み
ー今回ご参加くださるお二人は、それぞれ生理に対する取り組みをされています。これまでの活動についてお話しいただけますか?
haru.:大学に入ってすぐ始めたHIGH(er) magazineというインディペンデントマガジンでPMS(月経前症候群:生理前に起こる心やからだの不調)とか生理についても書いていました。読者の方とそういう話をする機会も多くて、すごく身近な声を聞かせてもらってきたので、それを生かして今後どんな活動をしていったらいいのか考えていきたいです。
中島梨乃(以下、中島):高校生の頃から性教育についての発信をSNSで始めていました。2019年は生理に対する取り組みが目立っていて、自分にできることはなんだろうって考えて、大学のトイレに生理用品を置くプロジェクトを始めました。「なんでトイレットペーパーは無料で置いてあるのに、生理用品は自分で買わないといけないんだろう」って。生理も排泄行為と同じ生理現象なのにと思ったんです。
ーコンパクトガードは、若い女性たちに何度も生活習慣やパッケージデザインについてヒアリングを重ねて作られた商品ですよね。どんな特徴があるのでしょうか?
コンパクトガード担当者(以下、担当者):コンパクトガードのターゲットは、大学入学や就職、一人暮らしを始めるなど自立し、自分で生理用品を購入し始める10代後半から20代前半の女性です。そんな人たちに、つけ心地がよく高機能で「自分で買いたいな」と思ってもらえる商品を目指しました。
若い世代は荷物を減らして小さいバッグを持つ傾向があるので、3~4枚を持ち運んでもかさばらない設計にしています。
また「長時間用」と曖昧な言い回しで表示している商品が多いなか、長時間替えられなくても安心できる吸収力があることを、説得力を持たせて伝えるために「5時間サラサラ(*)」と数値化して書いているのが特徴です。
(*大王製紙株式会社による基準)
中島:この前大学に生理用品を無料で置くっていう取り組みをやって、コンパクトガードを置かせてもらったんですけど、めちゃくちゃ人気で一瞬でなくなってて。分厚いのより薄い方が若い人に人気なんだなって思いました。
担当者:パッケージについては、若い人が手に取りやすいような色・デザインの開発に努めました。実物をモニターの方々にお見せしたときには「パッケージがチョコレートとか化粧品っぽい」「こういうの欲しかった」という声を非常に多くいただけましたね。
個包装のデザインに関しても、ちょっと見えても生理用品だとは分かりにくいようにしたいなと考えたんです。
女性同士でも分かってあげられない生理のつらさ
ー日頃から体のことについてSNSで発信されているharu.さんと中島さんには、フォロワーの方々に生理の悩みに関するアンケートを実施していただきましたが、反応はいかがでしたか?
haru.:今回Instagramのストーリーズで聞いたら、みんなめちゃめちゃ真剣に答えてくれてて。
中島:私も。普段あんまりSNSで質問をしないのですが、以前別の質問を投稿したときと比べて、今回は4倍近くの回答がきていて驚きましたね。
担当者:生理に関しては、悩んでいる気持ちを発散する場所ってあまりないですよね。
haru.:そうですね。それはすごい感じました。
ーまず「生理について周りと話せないことでつらい経験をしたことがあるか」という質問には、どんな回答がありましたか?
中島:「相手が男性だと言いづらいけれど、生理のつらさを理解してほしい」という声が多くありました。パートナーにさえも言えない人がいるようでした。一方で男性から「生理について知りたい」という声もいっぱい挙がってました。
ー男性だけでなく女性にも話しづらいという声もありますね。
haru.:「生理でつらくて一日中寝ていたくても、女の子にさえわかってもらえないことがあります」という回答がきていました。周りの女性に分かってもらえなかったときのショックは、やっぱり大きいですよね。自分の体の中で起きてることを分かってもらうのは難しいと思うけれど、周りに「そんなのみんな頑張ってるんだから」とかって言われたら「自分が大変ってそんなに言っちゃいけないんだ」って思っちゃいますよね。
担当者:そうなんですよね。当社では同じエリスシリーズで、「クリニクス」という過多月経の方に向けた商品も作っていて、その開発過程で子宮筋腫の方など経血の量が多い人の話を聞いたんですけど、同じ女性でも人によって経血の量や生理のつらさは全然違うし、大変な思いをしている人がいることに改めて気づきました。情報をもっと出して、人それぞれ異なることを、女性同士でも分かりあえるようにしないといけないと思いましたね。
haru.:あと「生理がくる一週間前はずっとイライラしてたり、夜一人になると涙が出てきます。病気かと思う」という悩みがきていたけど、PMSの症状があんまり知られてなかったりとかする。それですごく倦怠感があったり、眠くなっちゃったりする人がいることが知られてないから、PMSでつらいのに、周りからはサボってると思われちゃって困っている人も多いみたいです。
ー知識がなくて、不調を自分のせいだと思ってしまう人もいそうですね。学校での悩みも多く寄せられているようですが、少し紹介していただけますか?
haru.:「信頼してた学校の先生にPMSの症状を話したら『そんなこと言ってこれから仕事始めたらどうすんの』って言われて、その一言で信頼できなくなっちゃった」みたいな回答もきてます。本当に学校での悩みが多いですね。学校で生理に対してそういうマイナスなイメージを持たされる場面が多いのかもしれない。
担当者:企業にある生理休暇も、どのレベルで使っていいかわかりづらいですよね。自分はつらいけど、これって休んでいいのかな?と思ってしまう人も多いみたい。
話せないことで悩む人もいれば、オープンにしすぎるのを嫌がる人もいる
ー「生理がメディアで話題になることに対してどう思うか」という質問に対しては、ポジティブな見方は多かったのでしょうか?
中島:そうですね、ほぼポジティブでした。「いいえ」って答えた人は、「情報のなかには間違ったものもあるから」という理由だったのですが、「結局みんなが意見を言うことで正しい情報に軌道修正されていくんじゃないか」っていう意見もありました。
haru.:私の方に寄せられた回答もポジティブな意見が多かったですが、ネガティブな意見もありました。「押しつけがましい意見は嫌だ」とか、なかには、今生理に関して起きているムーブメントと自分の意見は違うと感じて、余計に話せなくなってる人もいるなっていう感じですね。生理とか生理痛のこととか気軽に話し合えるのは大事だけど、そこでしんどいアピールとかをするだけじゃなくて、そこから自分の体にもっと向き合ったり、お互いに労わりあったり、正しいアドバイスを得られる流れっていうのがどうやったらできるのかって思います。
ーフォロワーの皆さんは、生理に関する悩みがあるときどのように解決しているのでしょうか?
中島:ネットか病院か友だち、母親に相談するという回答がありました。
haru.:「ネットで検索するけど、解決はしていない」っていうのが多いですね。やっぱりもっと生理に関する情報を共有してくれる信頼できるメディアがあるといいですよね。自分にあった解決法がもっと見つかるといい。
自分に合った製品を選べるようになるためにも、自分の体について話してもいい環境づくりを
ー開催する予定のミートアップでは、生理についての正しい知識を得られることと、自分の体の変化についてお互いに話せる場を作ること、という2つが重要になりそうですね。どんな内容にしていきましょうか?
haru.:私が所属するHUG inc.では、映像などの表現を使って見てくれる人とコミュニケーションを取るということをやってきているので、オリジナルムービーを作りたいですね。生理を一気にオープンにしてほしくないという声もあって、考え方は本当に人それぞれだと思うし、一つの表現に対してそれぞれが意見を言えるみたいなものにしたいです。
中島:みんな違うんだよっていうのもそうだし、同年代で同じ悩みを持ってる子がいたんだ、って安心できると思うので、生理についてもう一度知って話せる場にしたいですね。
担当者:学校現場で生理や体のことを教えている保健室の先生とかも、来てくださったらいいですよね。
haru.:そうですね。あとはお医者さんにも来ていただいて、ただしい知識を共有していただきたいですね。
生理について話すことに慣れていない人が多いと思うから、まずは私とか中島さんが自分の体験を踏まえて話すことで、一歩壁を低くして。いろんな人がいるから知識を持ち寄って、「私は湯たんぽを使って体を温めてます」とか本当にそういう小さいことでいいんですけど、そういうのを言い合えて、みんなが自分の解決策をシェアできるような場になったらいいなって思います。
中島:あとは今日もメーカーの方の話を聞けてすごくおもしろかったので、生理用品を作っていらっしゃる方たちのお話を聞けたらいいですね。
haru.:確かに、生理用品を買うときって、棚の前にずっといるのが気まずくて深く考えずに値段やサイズだけを確認して買う人も少なくないと思う。でも、どのように考えて作られているかを知ると違いますよね。その実感を持ちつつ使用できたときに、もっとみんな生理用品に対して前向きになれて、いい商品を選んで購買できる気がする。そういう体験ができるといいよね。
若年層のハートを捉えた生理用スリムナプキン 「エリス コンパクトガード」
「2mmの薄さで5時間サラサラ(*)」がコンセプトの生理用スリムナプキン「エリス コンパクトガード」は、授業やアルバイト、部活動などで長時間ナプキンを替えられない若年層の女性に向けて開発されました。「生理用品らしくないオシャレなパッケージデザイン」を求めるニーズに合わせ、機能性とデザイン性を兼ね備えた商品です。
(*大王製紙株式会社による基準)
エリス コンパクトガード(軽い日用)羽なし 36枚
エリス コンパクトガード(多い昼〜ふつうの日用)羽つき 28枚
エリス コンパクトガード(多い昼用)羽つき 23枚
エリス コンパクトガード(特に多い昼用)羽つき 19枚
エリス コンパクトガード(多い夜用)290 羽つき 15枚
エリス コンパクトガード(特に多い夜用)330 羽つき 14枚
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