freeeが仕掛ける顧客接点改革 ワンランク上の「声が聞ける安心感」を提供へ
2012年の設立以来、クラウド型のバックオフィス業務効率化ソリューションにより飛躍的な成長を続けているfreee。だが、同社はかねてより、ある悩みを抱えていた。それは、顧客サポートの電話の音声品質が低く、雑音やタイムラグが発生していたことだった。クラウドサービスを提供する同社にとって、電話による声での顧客サポートは特に重要になる。そこでfreeeは、コールセンターシステムの見直しに着手した。
ユーザーにとって本質的な価値を
freeeでは、会計や給与計算といったバックオフィス業務に加え、会社設立・開業に必要な書類などの煩雑な業務をクラウド上で簡単に利用できるサービスを提供している。スモールビジネスに携わる人が日々のバックオフィス業務に追われることなく、本来の創造的な活動にフォーカスできるよう製品開発と顧客サポートに注力している。
同社では、ビジネスプランまたはエンタープライズプランを利用している顧客、および電話オプションを契約した顧客に電話サポートを提供しており、顧客は管理画面から電話サポートの申込予約が可能となっている。予約した時間にサポートセンターから電話がかかってくるため、一般的なコールセンターのように「電話してもなかなかつながらない」ということはない。実質的に顧客側の費用負担なしで電話サポートが受けられるのが特徴だ。
課題解決のためにBIZTELを選んだ理由
同社は、2014年から顧客サービスソフトウェア「Zendesk」と連携したコールセンターシステムを利用していたが、顧客から「雑音が入る」「タイムラグがあるため会話が被さる」といった指摘を受けていた。
その解決のために導入したのが、リンクのクラウド型コールセンターシステム「BIZTEL」だ。BIZTELはZendeskおよびSalesforceと標準でシームレスな連携が可能であり、既存のCRM環境を見直すことなく新システムに移行できることが魅力だった。また、肝心の音声品質に関しても実際の業務・現場で約2週間試験運用を行い、問題ないことを確認した。
freeeのクラウドバックオフィスコンサルタント 井上健氏は、「雑音やタイムラグがなくなったこと、他社が標準的に対応できないZendeskとのCRM連携、そのほかにもわれわれが要望した細かな要求にカスタマイズで応えてくれたことが導入の決め手です」と説明する。
細かな点までカスタマイズ
BIZTEL導入のメリットはそれだけではない。利用回線数を増やしたにもかかわらず全体の通話料が従来の3分の2程度に削減でき、コールセンターシステムの利用コストも抑制することができた。また、シンプルな管理画面からレポート機能や、通話内容が確認できる録音機能も活用できるようになり、顧客対応の品質質改善に大いに役立っているという。
コーポレートIT コーポレートエンジニアの木戸啓太氏は、「リプレース直後や問い合わせのボリュームが増えた際に、システムのデータ上では一時的に劣化している状況がありましたが、リンクのサポートデスクは問題に対して迅速かつ具体的な回答をしてくれたのでたいへん助かりました」と語っている。
井上氏はBIZTELに対し、「さらなる品質の向上のためにもテキストマイニング、文字起こし機能が今後リリースされることを期待します」と話し、木戸氏は「今後は、営業部のアウトバウンドでの活用を前提に導入を検討しています」とさらなる活用を進める意向を示している。
【取材:2017年7月】