生理周期ってどのくらいが普通なの?PMSって何?Z世代が婦人科医に聞く生理の話
生理について知って語り合い、自分たちの心地よい生理との付き合い方を見つけていくためのイベント「Let’s Talk about PERIODS」が2月23日に開催されました。
このイベントは、生理についての情報がまだ少なく、若い人たちが生理について話したくても話せる場がないという状況に対し、生理用品ブランド「エリス コンパクトガード」がメーカーとしてできることはないかと考えたところからはじまったものです。
この記事では、イベント第一部の様子をお届けします。生理の仕組みやPMSを和らげる方法など、生理にまつわる疑問や不安を、インディペンデントマガジン『HIGH(er)magazine』編集長のharu.さんと、性教育に取り組む大学生の中島梨乃さんが、若年層を代表して婦人科医の先生に率直に聞いてくれました。
正常な生理周期の長さ、知ってる?
haru.さん(以下、haru.):第一部のセッションでは、「生理のときに私たちの体に起きていること」というテーマで、知っているようで知らない生理のあれこれを清水先生に聞いていきたいと思います。
この プロジェクトが始まったとき、私や中島さんのTwitterやInstagramのストーリーで生理にまつわる身体のお悩みを募集したのですが、その中からピックアップした代表的な質問やお悩みを先生にお答えいただければと思います。
haru.:SNSでは生理にまつわる身体のお悩みがたくさん集まって、私たちが自分の体について知る機会がいかに少ないかを改めて実感しました。私自身も生理については、小学校の保健体育の時間にちょこっと習ったくらい、という記憶です。
というわけで、まずは生理の仕組みから皆さんとおさらいできたらいいなと思います。清水先生、よろしくお願いします。
清水なほみ先生(以下、先生):月経の周期は 「月経期つまり生理の時期」 「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の4つに分けられています。
それぞれで身体に起こっていることが違うので期間もまちまちです。子宮内膜が厚くなって次の排卵の準備をする「卵胞期」は1~2週間、卵巣から排卵する「排卵期」は1日、子宮内膜がより厚くなる「黄体期」は2週間、妊娠しなかった場合に子宮内膜が剥がれて体外に排出される「生理」は5~7日間となっています。
「卵胞期」に関しては1~2週間と個人差が大きいので、通常の生理周期は25~38日周期とされているんです。
haru.:早速質問なのですが、生理周期がどのくらい乱れたら婦人科を受診すべきなのでしょうか?
先生:25~38日の周期を外れたら即受診すべき、というわけではないんです。1~2週間だけズレることはよくあるので、 普段は定期的に生理が来ている人が今月ちょっと遅れているなくらいの場合は、 少し様子を見て元のサイクルに戻れば心配ありません。
受診が必要なのは「毎月20日以内の周期で来てしまう方」や「痛みや出血がひどくなった方」「出血する期間が著しく短くなった方」「生理と生理の間が45日以上の周期が続く方」などです。妊娠の可能性がないのに生理が3ヵ月以上来ない方は絶対に受診してほしいですね。
haru.:生理が3日来ないだけで不安になって生理がさらに遅れてしまう、ということもありますよね。
先生:妊娠の心配を常に抱えている方は ちょっと遅れただけで不安になったりしますよね。避妊が必要なら、 コンドームのほかに、ピルや子宮内避妊具などを併用することをおすすめしています。
中島梨乃(以下、中島):私もピルを使い始めてから生理周期が整って、ストレスフリーになりました。
先生:予定が立てやすいメリットもありますね。大事な仕事やレジャーの日に生理の日がぶつからないよう、ピルでコントロールするのも選択肢の1つです。
生理不順は体からのサイン。自分にやさしくするためのきっかけに
haru.:そもそも生理不順はどうして起きるのでしょう? 対策としてできることはあるのでしょうか?
先生:「生理不順は健康のバロメーター」などとよく言われますが、急激な体重の増減や卵巣関連の病気、冷えやストレスなど、いろいろな原因が引き金になって起こります。
対策としては「自分の心と体のケアをする」ことですね。睡眠時間を確保したり、お風呂にしっかり浸かったり、バランスの良い食事を摂ったり。自分に何が足りていないかをじっくり考えて、いかに自分にやさしくするかが大切になってきます。
haru.:私は高校生のときに過度なストレスやダイエットで、生理が3ヵ月来なくなって。それで「今の私、ヤバいんだな」と気づいて自分を見つめ直すことができました。でも、生理が来る前の年齢だったらそのまま気づかずに状況を悪化させていたかもしれません。
中島:生理不順は体からのサインなんですね。
先生:どんな症状も体からのサインではありますが、生理不順は比較的わかりやすいですよね。生理不順になったら生活を見直す良いきっかけだと思って、自分にとってやさしいことと、やさしくないことを考えてみると良いと思います。
経血量と不正出血で見つける病気のサイン
中島:自分の経血が普通なのかどうかわからないという声もけっこうありました。経血が正常かどうかをどんなところで判断したら良いでしょう。
先生:生理が正常かどうか判断するポイントは「経血量」と「不正出血の有無」です。経血の色を気にされる方もいらっしゃいますが、血液は時間が経って酸素に触れたものほど黒っぽくなるだけなので、経血の色自体は病気にひもづいていないことのほうが多いんです。
経血量に関しては、生理1~2日目のピーク時でナプキンが2時間持たなかったら注意が必要です。それから約1週間の生理期間中、経血量がずっと多いままだったり、出血期間が10日続いたりする場合もトータルで失う血が多いということなので受診をおすすめします。
中島:不正出血についてはどうでしょう?
先生:不正出血にはいろいろな原因があって、排卵の影響で起こる無害なものもあれば、子宮頸がんやクラミジアといった病気の可能性もあります。いろいろな検査をして問題がなかったときに初めて「安心」と言えるので、不正出血は少しの症状でも婦人科を受診したほうが良いですね。
痛み止めに頼るのも悪いことではない
haru.:いろいろと教えていただいて本当に勉強になります。次は、生理痛が重くてつらいときの対処法として日常生活に取り入れられることはありますか、という質問です。
先生:痛みがつらいときは痛み止めのお薬を飲むことですね。ただし、飲むタイミングが重要で、「これから痛くなるかも」という段階で飲む。痛くなりきってから飲んでも効かないので、我慢をしてはいけません。
中島:私の周りにはいざというときにしか痛み止めを飲まないという子がけっこういます。飲みすぎると効果が弱まる気がするそうですが、これは医学的には正しいですか?
先生:痛み止めを飲みすぎると効かなくなるとか、薬への耐性ができてしまうというのは勘違いですね。服用するタイミングが合っているのに痛み止めが効かなくなることがあったら、それは痛み自体が強くなっているからです。
haru.:痛み止め以外にも、何かできることはありますか?
先生:体を温めることですね。カイロを貼ったり、お湯にしっかり浸かったり、温かい食べ物を食べたり、いろいろな方法があります。
1ヵ月に1回は生理痛のせいで必ず寝込んでしまうなど、生活に支障をきたすレベルの痛みの場合は病院を受診して、漢方・ピルなどでの治療も検討したほうが良いかもしれません。
「PMSかな?」と思ったら基礎体温と記録をつけてみる
haru.:最後の質問です。生理前に憂鬱になるのはPMSですか、という質問が来ています。
先生:PMSは「月経前症候群」の略で、精神的な症状以外にも、お腹が痛くなる、腰が痛くなる、めまい、頭痛など、いろいろな症状があります。PMSの特徴は、排卵後つまり生理の2週間前以降から生理までの間に限定して出ることです。なので、「これってPMSかな?」と思う症状が出たときは基礎体温と一緒に体調の変化を記録しておくとわかります。排卵の後に色々な不調が起きていて、生理が来たらピタッと止まる場合はPMSですね。
中島:PMSについてよく知らないまま不安に思っている方は多いと思います。記録を付けて、PMSだとわかったらどうすれば良いでしょう?
先生:PMSに関してもピルを飲むのが有効な方法といえます。PMSの原因は、排卵後に出る黄体ホルモンの急激な増減にあるので、ホルモン量を調整できるピルが有効、という論理です。
精神的な症状がメインであれば、カウンセリングを受けたり、栄養のバランスを摂った食事をしたりといった環境整備も重要です。
中島:食べ物はどんなものが良いんでしょうか?
先生:精神症状を安定させやすくするには、ビタミンやミネラルをしっかり摂って、栄養のバランスを整えることが大事ですね。血糖値が上下しやすいとイライラしやすくなります。お腹が空いているときに糖質を摂ると血糖値を急激に上げてしまうので、一番良くないのは、小腹が空いたときにチョコレートを食べることや、菓子パンだけでお昼ご飯を済ませること。女性は特にやってしまいがちですね。
haru.:糖がダメなら、お腹が空いているときにフルーツを食べるのもダメですか?
先生:フルーツも糖なので、空腹時は避けたほうがいいですね。
小腹が空いたときにつまむなら、アーモンドなどのナッツ類や小魚が一緒になっているものなど糖質が低いものがおすすめです。どうしても甘いものが食べたいときは食後30分以内など、血糖値がある程度上がっているときに甘いものを食べる、という血糖コントロールが大切になります。
相談できる「かかりつけの婦人科」を見つけておこう
中島:私の周りには「婦人科にかかったほうが良いのはわかっているけど、ハードルが高い」と思っている人が多いのですが、今日のお話を聞いて、改めて婦人科にかかる大切さを実感しました。
先生:他の科と比べて感じられるハードルの高さは「内診」にあると思います。婦人科系の病気をチェックするのに内診は不可欠ですが、初めて行くときに絶対に内診しなければいけないわけではありません。予約時に「婦人科を初めて受診するので、まずはお話だけしたいのですが」と伝えるのも1つの手ですね。
何か起きたときにいきなり知らない病院に行って内診するのは不安だと思うので、がん検診など、普段からのメンテナンスや、生理日を移動したいなどのライトな相談で婦人科にかかり、医師との相性を確かめておくのも良いですね。
haru.:私は今までに4軒の婦人科にかかったのですが、病院によって雰囲気がまったく違いました。先生のお人柄に関しても、アットホームなところもあれば、先生がすごくリードしてくれるタイプの病院もある。皆さんも相性が良い病院を見つけるつもりで、普段から婦人科を頼ってみてほしいですね。
本イベント「Let’s Talk about PERIODS」第二部・第三部の様子は以下の記事からお読みいただけます。
第二部の様子 なかなか聞けない「他人の生理事情」と「生理用ナプキンの中身」の話
第三部の様子 心地よい生理ってどんなもの?「Let’s Talk about PERIODS」参加者と考える、生理に関するやさしい世界
清水なほみ
婦人科医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
2001年広島大学医学部医学科卒業。
広島大学附属病院産婦人科・中国がんセンター産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科を経て、2010年「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業。
女性医療ネットワーク発起人・ NPO法人ティーンズサポート理事長。
日本産科婦人科学会専門医。
日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー。
All Aboutガイド。
※本文に記載の医師の見解は全ての方の症状に該当するものではないため、ご自身の症状にあわせて受診されることをおすすめします。
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エリス コンパクトガード(多い昼用)羽つき 23枚
エリス コンパクトガード(特に多い昼用)羽つき 19枚
エリス コンパクトガード(多い夜用)290 羽つき 15枚
エリス コンパクトガード(特に多い夜用)330 羽つき 14枚
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